始まらない終末戦争と終わってる私らの青春活劇2(著:王雀孫)
あの王雀孫がついにラノベ業界へ殴りこみ!というわけで順調に刊行が延期された1巻が発売された時はなにかの間違いではないかと思いましたが、2巻も(去年ですけど)出てくれました。
とは言っても正直時間が開いてしまったので、1巻も読み直しました。
1巻の帯には丸戸史明先生がコメントを寄せていますが、王雀孫先生もそのうちオリジナルアニメを作ったりするのでしょうか。一応『俺たちに翼はない』のアニメ脚本の一部を担当したようなので、ひょっとしたらひょっとするかもしれません。でもクラクラみたいな駄作は簡便な。
王雀孫テキストといえば、ユーモアにあふれたテンポの良さに定評がありますが、そこから生まれるキャラクターや印象に残るフレーズなども魅力です。
『それは舞い散る桜のように』一本で信者を大量に生産し、『俺たちに翼はない』で一気に人を選ぶ個性派ライターに昇華し遅筆家としての地位を築いたのも氏の才能の成せる技かなと思うわけです。
そんなわけで本作は、人を選ぶ作風を遺憾なく発揮した作品となっております。
「(略)ふーん……じゃあ、まあ、座ればその辺……」
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1巻は、発行元が集英社だからってジャンプネタを随所にちりばめ、エセおフランスギャグから7兆ネタまでとにかくやりたい放題でしたが、2巻もほとんど同じノリです。
ですが、主人公を取り巻く人間関係や学校生活の実態が少しずつ、ほんの少しだけ垣間見える内容となっています。
実を言うと信者的な色眼鏡で見ているだけで、めちゃくちゃ面白い!と思っているわけではありません。でも、テンポの良さとニヤリとするギャグ、独特の個性を持ったキャラクターには他の作品とは一線を画する物があると思います。
順調に増え続けるモブ先輩方が何人いるのか分かりませんが、今後も期待できるかと思います。