日記

Re:ゼロから始める異世界生活4(著:長月達平)

2016.04.11

物語の主人公が主人公たる所以は、状況を切り抜け、収め、いかに都合のいい方向へ導いていくのかかが鍵だと思うわけですが、なにをやったってうまくいかないこともあります。
この作品にしてみると、主人公の存在意義というものは世界に対してあまり大きくはないような気がします。
もちろん、前巻で悲劇を回避し、彼を取り巻く人々に与えた影響というのは小さくありません。
小さくはありませんが、本懐を遂げるにあたって超えなければいけない壁、そびえ立つ高みというものは果てしなく遠いことを実感させられる…そんなお話です。

繰り返される運命という大きな渦に巻き込まれていながら、それを繰り返すほど、孤独になり、大切な人との距離が離れていく…そうして打ちのめされても、傷ついても立ち上がるさまは一方でより主人公的と言えると思いますが、それにしたって主人公のフルボッコぶりには凄まじいものがあります。

本文を読んでいると、前巻とこの巻の間にはどうも語られていない物語があるようですが、それは先のお楽しみというところでしょうか。

, Amazonアソシエイト, ライトノベル, 本を読んだ