オズのダイヤ使い(著:末羽瑛)
2016.07.30
タイトルは『オズの魔法使い』のパロディかと思われますが、内容はあまり関係なさそうです。
タイトルからはまったく想像出来ませんでしたが、砂塵舞う荒野を駆けるような泥臭いロボットバトルモノです。
主人公の旅の目的、出会った人々との関係、世界を支える宝石、そうしたものがうまく組み合わさり、世界観は良く出来ていると思います。
展開も早く読み進めやすいです。
ただ、お話の都合が良すぎるためか、先の展開がある程度予想出来てしまうのと、登場人物の多さのわりに狭い世界だなという印象を受けました。
1巻である程度完結させるためには仕方がないのかもしれません。
宝石に人格が宿るという設定は、アンドロイドが人格を有するための理由としてとても素晴らしい考えじゃないかと思ったのですが、一方で宝石に人格が宿る条件は曖昧というか、複数の宝石に分割で宿ったり、もう一人の人格を追加してもいいみたいだし、宝石を身につけている必要もなかったり……よく分かりませんでした。
人格と記憶以外にも、三人称視点の映像も記録できちゃうみたいなので、それら全部ひとまとめにエネルギー!ってことでなんでもアリなんだと思います。