悪に堕ちたら美少女まみれで大勝利!!(著:岡沢六十四)
2016.07.31
なにを思ったらこんなタイトルの作品を手に取ってしまうのか、気が付けば家に置いてあるんですから恐ろしいものです。
とはいえ、予想以上に楽しい作品でした。
主人公は無能力者として努力を重ね、正義の組織に入ろうとするも叶わず、挫折しかけたところを同学年の団長率いる悪の組織に入団、勢力を拡大していく…そんなお話です。
やたら女性としての機能性や意義にこだわりのある団員たち、主人公に愛情を押し付ける姉など、極端に偏ったキャラクターが多いのですが、コメディありシリアスありの展開の中でよく活かされていると思います。
ただ展開は雑というか、一巻にしてやたらインフレするので、この先どうなるんだろうと逆に気になるところです。
とはいえ、癖のあるキャラクターに振り回されつつ”謹厳実直な悪人を目指す”主人公の冷静でマトモなツッコミのお陰で楽に読める文章はとてもグッドです。
タイトルのわりに真面目な主人公という、思っていたのとかなり違う内容でしたが、とてもいい作品だと思います。