日記

名探偵は推理しない(著:村田治)

2016.08.22

果たしてこの作品を手にとった時の心境は如何ほどなものかと考えますが、今になってみると、タイトルと表紙を見れば、王道を少し斜にみた作品だということが分かるかと思います。

ヒロインの譲葉ゆずりは恋深れみは超能力じみた直感で推理せずとも事件を解決できる…とあるのですが、それが本当に異能力なのか現実的な才能なのかは、この巻ではよく分かりません。
言うほどズバズバ色々なことが分かるわけではないみたいなので、そんなに都合のいいものでもないようです。

正直前半は退屈です。
だいたい数ページ読んでキャラクターを把握すれば、概ね予想された掛け合いが続きます。
そういった予想されやすい展開の後にはどんでん返しも待っていますし、謎が紐解かれていく面白さもあります。

後半は相対的に盛り上がっていきますし、私みたいに鈍感だと気づかないようなトリックがあったりして感心するわけですが、じゃあ続きを読みたいかって言われると…。

前半が退屈なことを除けば、文章も平易で読みやすく、悪くない作品だと思います。ただ、あまり救いのないお話です。

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