R.O.D(著:倉田英之)
2016.09.12
誰が読んでいるのかもわからない本の感想を書いてもなんとも思いませんが、こういった実績のある作品ではなにを書けばいいんだろうなあと考えてしまいます。
新装カバーのような大判の帯には新作アニメ化企画とあったので、思わず手にとってしまいました。
アニメは観たような記憶がありますが、活字で読むのは初めてです。
とにかく、『紙使い』という設定が素晴らしいです。
映像でもそうでしたが、数ある能力バトルのなかでも群を抜いてロマンのある能力だと思います。
ラストバトルなんかは少し都合がいいかな?なんて思ったりもしますが、そういうことが言いたいのではありません。
この作品が刊行された2000年に比べたら流通する作品は増えているのに、面白い作品がいっこうに増えていない!と思ってしまうのは贅沢なんでしょうか。
そもそも、なんども読み返したいと思った作品なんて数えるほどしかありませんが、それでも、この本のような一定以上のクオリティの作品が市場に溢れてくれたらなんて幸せなことなんだろうと思うわけです。
自分の字を読むスピードにすら焦らされているように感じてしまうほどの血湧き肉躍る物語、そんなものがたくさんあれば、世の中の煩わしさなんて小さいことに思えるのではないか…そんなことをいつも考えるのです。
粗製濫造してもいいし、似たようなもので玉石混交してもいいのですが、流行りに乗るとか、Webで実績があるからってすーぐ書籍化する前に、よく考えてほしいものです。
…なんて偉そうなこと書きましたけど、結局著者の才能とか読み手の趣味が全てですよね。
でも、もうちょっとまともに読める作品が増えてくれると嬉しいなあって。