蜘蛛ですが、なにか?2(著:馬場翁)
2017.03.21
基本的には1巻と同じ流れで物語が進行します。
蜘蛛サイドは地道なレベル上げとスキル習得をしながら成長し、勇者サイドは学園へ入学し来たる魔王軍との戦いへ備える、そんな予想された展開……。
かと思いきや、蜘蛛サイドは不穏な響きのスキルや単語によって次第に深淵へと近づき、他の転生者たちも成長によって内面が否応なく変化していくという、なかなかシビアな世界観が見え隠れします。
そして追加される魔王サイドの物語。
ここにきて実のところ、各々の物語の時系列が実はまったく違っているということが明らかになるのがこの巻の重要なポイントでしょうか。
蜘蛛子ちゃんの成長物語を基本に、外の世界の物語も差し挟み、気になる情報を小出しにしていくという、バランスのとれた構成になっていると思います。
ところで、カティアちゃんの言葉遣いがけっこう変だと思うんですけど、意図したものなんでしょうかね?