日記

86―エイティシックス―(著:安里アサト)

2017.03.27

今年もCMやってたので買いました。電撃小説大賞、大賞受賞作品です。

他国との戦争状態にある共和国内では、戦死者ゼロの戦時報道が繰り返され……実のところ、劣等種として人権を剥奪し徴用した元共和国民を戦車(多脚機甲兵器的な?)に搭乗させ、『無人機』として戦場に駆り出す歪みに歪んだ世界での少年少女の物語です。

さすが大賞、と思わせるほどには面白いです。

あとがきにもあるように、戦時下の人種差別政策やジェノサイドとともとれる描写にはかの国での歴史を相当意識したように思われますが、それら悲劇を徹底して導入したことにより作品の持つ世界観は醜悪で愚かしい物として完成されているように感じます。

そんな絶望の中でも前へ前へと進もうとする少年少女の有り様は劇中の唯一の希望として大きな存在感を示しています。

色々と書ききれていない部分があるような気もしますが、ラストが非常にスッキリしているのがこの作品の素晴らしいところだと思います。

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