日記

86―エイティシックス―(著:安里アサト)

2017.03.27

今年もCMやってたので買いました。電撃小説大賞、大賞受賞作品です。

他国との戦争状態にある共和国内では、戦死者ゼロの戦時報道が繰り返され……実のところ、劣等種として人権を剥奪し徴用した元共和国民を戦車(多脚機甲兵器的な?)に搭乗させ、『無人機』として戦場に駆り出す歪みに歪んだ世界での少年少女の物語です。

さすが大賞、と思わせるほどには面白いです。

あとがきにもあるように、戦時下の人種差別政策やジェノサイドとともとれる描写にはかの国での歴史を相当意識したように思われますが、それら悲劇を徹底して導入したことにより作品の持つ世界観は醜悪で愚かしい物として完成されているように感じます。

そんな絶望の中でも前へ前へと進もうとする少年少女の有り様は劇中の唯一の希望として大きな存在感を示しています。

色々と書ききれていない部分があるような気もしますが、ラストが非常にスッキリしているのがこの作品の素晴らしいところだと思います。

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私、能力は平均値でって言ったよね!1(著:FUNA)

2017.03.26

はい、なろう系です。異世界転生です。

近頃は女性主人公が流行りなんでしょうか。前世で友達のいなかった主人公が全体から見て平均値の能力で生まれ変わるというお話です。

主人公の能力を決定する平均値という設定はなかなか斬新な目のつけどころだと思います。

主人公の前世、死んだ理由、転生後の世界、ほとんど同じような展開をなぞる転生モノの中でも、わりと差別化できているような気がします。気がするだけかもしれません。

展開は非常に早いです。
貧乏貴族が集う学園へ入学、周囲から浮きつつも順調に学生生活を謳歌、しかしうっかり人智を超えた能力を披露してしまい王家から招聘されそうになったところ、面倒事になりそうだということで出奔、別な国でハンターとして別な人生を歩む。そんな怒涛の展開です。

結構面白いのですが、主人公は普通を望むものの、魔法など恩恵をかなり活用しているため、かなり都合のいい考え方になっている点が少し気になりました。もちろん、そのおかげで展開も早くストレスなく読める、ということでもあります。

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蜘蛛ですが、なにか?5(著:馬場翁)

2017.03.24

一冊1200円、5冊も買えば6千円ですよ!
そんなにお金を出してまで読もうと思える作品があるっていうのは幸せなことなんだと思います。

でも、どうなんでしょう、ここから物語は完結していくのか、また新展開を迎えるのか……どうも次の巻はWeb版とは違った展開になると著者は述べているので、なかなか終わらないんでしょうな。

蜘蛛子ちゃんの正体も明らかになり(別にそこまで気にしてはいませんでしたが、完全に騙されました)、魔王も魔王少女として変質し、勇者側の話とつながっていきます。

とりあえず既刊に追いついたので、これから積み本を消化しようかと思います。

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蜘蛛ですが、なにか?4(著:馬場翁)

2017.03.23

ついに大迷宮を脱し地上に出たものの、マザーの規格外の行動により再び迷宮へ。
魔王(本物)も現れ防戦一方となり、地上と迷宮を往復する逃げの繰り返し。

最後はちょっと都合がいいような気もしますが、しっかりと伏線は張ってあったものなので、よく出来た展開だと思います。

勇者一行も他の転生者たちと合流、蜘蛛子ちゃんもまだ赤ん坊の転生者と遭遇し、物語はどんどん動いていきます。

前回、『魔王は一体誰なのかなんて考えるまでもない』と思ったのですが、どうも違うようなそうでもないような感じで、続きが気になるところです。

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蜘蛛ですが、なにか?3(著:馬場翁)

2017.03.22

既存作品のせいで感覚がおかしいだけで、3巻までくるとなかなかの長編だなあと思うわけですが、まだまだ終わりそうにないと感じさせる構成になっています。

Web小説というフォーマットからすると、書籍化するときに一冊あたりの区切りを考慮するというのはなかなか大変なんじゃないかと思うのですが、この作品は場面の切り替わりが激しいので、うまいことそれぞれ収まっている感じがします。

かつて自らを恐怖に陥れた地龍と対峙する蜘蛛、迫りくる陰謀に翻弄される臆病な勇者、それぞれの物語が大きく動いていきます。

魔王は一体誰なのか? なんて考えるまでもないわけですが、地上に出た蜘蛛子ちゃんのさらなる成長に期待しています。

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