ワールド・ティーチャー異世界式教育エージェント4(著:ネコ光一)
ちょっと間が開いてしまいましたが、5巻も合わせて買いました。
主人公たちを見下し、ちょっかいをかけていた関係者たちを一掃しつつ、学園を卒業するお話です。
弟子との恋愛関係などが気になるところですが、この巻でも特に波風は立たず、ひとまず保留となってるようです。
敵があまりにも愚かすぎたり、説教臭い話ではありますが、安心して読むことができるのはいいことだと思います。
奴隷エルフちゃんを英雄にプロデュースします!崖っぷちから始める世界寿命の延ばし方(著:秋月煌介)
買ってからさあ読もうと表紙を眺めていて気付いたのですが、こんなタイトルの本を手に取っちゃう時点で「ワタクシこういう性癖でございます」と喧伝しているようなものじゃないか? と思いました。
しかし、えらい直球なタイトルというかなんというか……。
内容は、英雄と呼ばれる特殊な人間でないと倒せないような獣が跋扈する世界で余命幾許かの主人公が奴隷のエルフちゃんを次期英雄として買い取るお話です。
一応弟子という形でエルフのフィオちゃんを奴隷から救い出すのですが、主人公の余命が短すぎて性急にお話が進んでいくせいか、成長物語というよりはある時をきっかけに覚醒するといった向きの展開です。
魔術を行使するときに魔力を吸い込むのですが、その時に獣の瘴気も一緒に吸い込んでしまうため、英雄は短命……という設定が分かりやすくて個人的にかなり好みです。
この巻はStep1となっていて、続きもあるようですが、区切り良く終わっているのでスッキリと読むことができると思います。
ところで、帯には『公式ニコ生のユーザー投票によって選ばれたカバーイラストを正式採用!』とあるのですが、正直言うと一番得票の低かった(10.8%)イラストが一番好みだと思いました。私ってズレてるんでしょうか。
86―エイティシックス―(著:安里アサト)
今年もCMやってたので買いました。電撃小説大賞、大賞受賞作品です。
他国との戦争状態にある共和国内では、戦死者ゼロの戦時報道が繰り返され……実のところ、劣等種として人権を剥奪し徴用した元共和国民を戦車(多脚機甲兵器的な?)に搭乗させ、『無人機』として戦場に駆り出す歪みに歪んだ世界での少年少女の物語です。
さすが大賞、と思わせるほどには面白いです。
あとがきにもあるように、戦時下の人種差別政策やジェノサイドとともとれる描写にはかの国での歴史を相当意識したように思われますが、それら悲劇を徹底して導入したことにより作品の持つ世界観は醜悪で愚かしい物として完成されているように感じます。
そんな絶望の中でも前へ前へと進もうとする少年少女の有り様は劇中の唯一の希望として大きな存在感を示しています。
色々と書ききれていない部分があるような気もしますが、ラストが非常にスッキリしているのがこの作品の素晴らしいところだと思います。
私、能力は平均値でって言ったよね!1(著:FUNA)
はい、なろう系です。異世界転生です。
近頃は女性主人公が流行りなんでしょうか。前世で友達のいなかった主人公が全体から見て平均値の能力で生まれ変わるというお話です。
主人公の能力を決定する平均値という設定はなかなか斬新な目のつけどころだと思います。
主人公の前世、死んだ理由、転生後の世界、ほとんど同じような展開をなぞる転生モノの中でも、わりと差別化できているような気がします。気がするだけかもしれません。
展開は非常に早いです。
貧乏貴族が集う学園へ入学、周囲から浮きつつも順調に学生生活を謳歌、しかしうっかり人智を超えた能力を披露してしまい王家から招聘されそうになったところ、面倒事になりそうだということで出奔、別な国でハンターとして別な人生を歩む。そんな怒涛の展開です。
結構面白いのですが、主人公は普通を望むものの、魔法など恩恵をかなり活用しているため、かなり都合のいい考え方になっている点が少し気になりました。もちろん、そのおかげで展開も早くストレスなく読める、ということでもあります。
蜘蛛ですが、なにか?5(著:馬場翁)
一冊1200円、5冊も買えば6千円ですよ!
そんなにお金を出してまで読もうと思える作品があるっていうのは幸せなことなんだと思います。
でも、どうなんでしょう、ここから物語は完結していくのか、また新展開を迎えるのか……どうも次の巻はWeb版とは違った展開になると著者は述べているので、なかなか終わらないんでしょうな。
蜘蛛子ちゃんの正体も明らかになり(別にそこまで気にしてはいませんでしたが、完全に騙されました)、魔王も魔王少女として変質し、勇者側の話とつながっていきます。
とりあえず既刊に追いついたので、これから積み本を消化しようかと思います。