セーブ&ロードのできる宿屋さん ~カンスト転生者が宿屋で新人育成を始めたようです~(著:稲荷竜)
異世界転生だの、勇者モノでいうところの、『隠居モノ』というところでしょうか。セーブ能力によって死んでもロードされる便利能力で最強になった主人公が新人育成を始めるという、タイトルそのままの内容です。
能力の肝は主人公以外の他人もセーブできるというところでしょうか。
『常識では無理なことでも、物事に取り組んだ結果死ぬことを何度も繰り返せばなんとかなる』という体育会系も真っ青のトンデモ育成法で女の子たちを強くしていきます。
正直、チートというかなんというか、短期間で効果ありすぎなんじゃないかと思うわけですが、底抜けに真面目な貴族の娘や、とても一人では生きていけなさそうな魔族の娘と、一癖も二癖もある新人冒険者を育てるには仕方ないのかもしれません。
死を体験させる、なんてとても主人公のやることとは思えませんが、物語のテンポがよく、読みやすい本でした。
ようこそ実力至上主義の教室へ6(著:衣笠彰梧)
あまりにも楽しみすぎて塩漬けにしようかと思ったのですが、買ってから2日後に読んじゃいました。
今回の特別試験は、二人一組のペアを組み他クラスが作成した問題を解きつつ、こちらも試験問題を作成し攻撃するペーパーシャッフルというものです。
面白いです。続きが楽しみです。
ただ、この巻は以前にも増して誤字や矛盾がちらほら見受けられるのが気になるところです。
特に、5巻で清隆は櫛田ちゃんに宣戦布告をされていたはずなのですが、すっかり忘れているようです(実際5巻では櫛田ちゃんの宣言に対して特にリアクションを返していないので、矛盾がないとすれば清隆はほとんど櫛田ちゃんへの興味が無いことに……)。
一応清隆自身は櫛田ちゃんの過去に興味があったくらいで元々そんなに気にかけていなさそうだったので、あまり敵とはみなしていなかったのでしょう(とは言え、しっかり櫛田ちゃんを退学に追い込むための手は打っているようです)。
この巻でも新たなヒロイン候補が増えたりしているような気はしますが、相変わらず清隆は盛り上がらない感じなのでそういった恋愛方面はあまり期待できそうにありません。
が、ここにきて軽井沢さんが清隆の誕生日をちょろっと祝うというファインプレー。
次の巻は軽井沢に龍園の魔の手が伸びそうなので、面白いことになりそうです。
龍園といえば、Cクラスの生徒が特注のケーキを買おうと揉めていたということで、龍園と清隆の誕生日が同じ説を唱えている人がいましたが、面白いですね。
でも、取り巻きに誕生日を祝われてケーキに舌鼓を打つ龍園というのもあまり想像できません……。
Aクラスの葛城に前生徒会長の堀北兄もしっかり登場し、内容の濃い一冊になっていると思います。
ところで……今年の7月にアニメ化するんですね。
公式サイトを開くと原作のキービジュアルしか出てこないし、ダブル監督とか良く分からない体制だし、しかもあと2ヶ月ですよ。
さらにキャスト一覧を見ると5巻で初登場の”坂柳有栖”の名前があるわけで……なんというか、これはもう、あれです。
駆け足端折りの展開圧縮でクソラノベアニメと言われる未来が見えるようです。
だいたい、MF文庫のCMでこの作品のアニメ映像があった気がしますが、観た時は全く面白そうな気がしませんでしたから、やはり他メディアへの展開というのはなかなか難しいのかもしれません。
でも、楽しみにしてます。次の巻もその頃に出るそうですから。
コップクラフト(著:賀東招二)
賀東招二作品といえば……
学生時代に読んだフルメタル・パニック!や、最近アニメ化された甘城ブリリアントパークなどがありますが、この作品はハードボイルドで退廃的な近未来といった趣のSF作品です。
というか、フルメタの連載が長すぎたせいか、あまり作品数は多くないんですね。
雑多で治安の悪い都市の模様を表す描写の数々がいかにもSFという感じですが、著者お得意のミリタリー要素あり、異世界あり魔術ありで、さすがに世界観はとてもよく出来ています。
ちなみに、先ほど近未来なんて書きましたが、それほどテクノロジーが進化している風でもないようです。
この作品の存在自体は知っていたのですが、ガトー信者からすると刊行遅いし完結する気配もないのでオススメしないといったコメントを大昔に見た記憶があってスルーしていました。
2000年台の作品のため、近頃流行りのジャンルからはかなり離れた内容ですが、甘ブリを読んでなにか違うな……と感じていた私にはうってつけの面白さでした。
好きな作家には自由に様々な作品を出してほしいものですが、やはりなにか期待してしまうというのも、仕方がないことだと思うのです。
エロマンガ先生4 エロマンガ先生VSエロマンガ先生G(著:伏見つかさ)
沙霧ちゃんが頑張るお話です。
しかし、こう毎回新キャラが増えていって大丈夫かな、なんて思うんですけど、ラノベっていうのはこういうもんですよね。
電撃文庫のシリーズを最初から読んだのなんて久しぶりだったので、王道を忘れていたのかもしれません。
既刊の数から言うと、主人公一家の事情など、まだまだ引っ張ることも多いんでしょうけど、話の進み方がかなり鈍いように感じました。
そんなわけで、山田エルフ先生を推しまくる今日このごろです。
エロマンガ先生3 妹と妖精の島(著:伏見つかさ)
テコ入れ回みたいな巻です。
年上の後輩作家と、山田エルフ先生の兄が登場します。後輩作家の立ち位置は不明ですが、初登場の割に空気みたいな存在だったので今後どう関わっていくのかいかないのか、気になるところではあります。
明かされていない各々の事情も気になるところですが、やはり、主人公を中心としたハーレムがどう決着していくのか、注目したいです。
というわけで山田エルフ先生を推します。