最強秘匿の英雄教師(著:左和ゆうすけ)
認めます。私、こういった作品が好きなんです。
『裏切りの英雄、教壇に立つ――!?』と書かれた帯が輝いて見えるのを必死で無視、本屋の店内を「いやいやいや…」と手に取ったり戻ったり、ウロウロした挙句、結局買っちゃいました。
登場キャラクターが日本名のようであったり、日本の地名のようなものが出てきますが、あまり関係はないのでしょう。
主人公の過去になにがあったのか、詳しいところが気になりますが、続きはなさそうな雰囲気です(売れたら続巻が出るんですかね?)。
ただ、主人公が本気を出すとあかん、という設定なので、続編が出ても扱いにくい主人公になりそうです。
内容はちょっと駆け足気味です。さくっと成長して、さくっと終わります。
長編がはびこるライトノベル界の中で綺麗に一巻に収めるというのは案外難しいことなのかもしれません。
エイルン・ラストコード~架空世界より戦場へ~4(著:東龍乃助)
新キャラも交えつつ、それぞれの思惑がより一層交錯する4巻。前線を離れていた部員が戻ってきたり、主人公たちの目的が明かされたりします。
でも、ヘキサのための独立国家ってどうなんでしょう…? ちょっと理想論過ぎる気もします。というか、過去のアメリカの二の舞いになったりしませんかね。
結局主人公は元の世界に帰るんじゃないかってことを考えると体制の維持とか、いろいろ課題はありそうです。
ヘキサ達の権利が認められたとして、皆が皆同じ理想へと向かうなんてのはきっと幻想ですよね。
とりあえず会長の頭の中が桃色すぎて面白かったです。
エイルン・ラストコード~架空世界より戦場へ~3(著:東龍乃助)
3巻ともなってくると、だいたい作品の方向性というか、進む道が定まってくるのではないかと思うのですが、やっぱり『内輪揉め』ですよね。
そりゃ人をもぐもぐと食べちゃうマリスとは意思の疎通が出来ないわけですから、必然、人類同士でストーリーを進めるしか無いわけです(たぶん)。
主人公の元いた世界やらなにやらいろいろな思惑が動いていくのはこの手の長編の定番ですね。
セレンちゃん大活躍です。かわいいです。生体リモコンとかひどいこと言わないであげてください。
ロボと人間の絆ってすごいロマンあるじゃないですか、それは尊いものだと思いたいです。
個人的にはやっと面白くなってきたかな~、という印象です。
…なんて偉そうなことを言ってますが、コメディ描写といいますか、2巻で葵がセレンを『通い妻』と称するところなど、戦闘描写以外の地の文は結構好きです。
エイルン・ラストコード~架空世界より戦場へ~2(著:東龍乃助)
1巻では主人公がロマンあふれるギミックで暴れまくっていましたが、今回は人類側の現状と問題点にスポットを当て、どうにか解消していこうというお話です。
セレンちゃんは今回裏方といいますか、主人公の身の回りの世話をしつつ、後方支援で活躍します。かわいいね。
教官モノ要素を交えつつ、熱い展開で窮地を脱していくさまは中々読み応えがあるとは思いますが、『このライトノベルがすごい!2016』新作ランキング1位…ってのはちょっと盛り過ぎじゃ?って気もします(よく分かりませんがまだ6月ですよね?)。
でも分かりやすい内容っていうのはそれだけ売り出しやすいってことだとも思うので、今後も期待できるはずです。
エイルン・ラストコード~架空世界より戦場へ~(著:東龍乃助)
『新時代のメカライトノベル』『新世代ロボットライトノベル』『斬新』『掟破り』、なんて過剰気味に宣伝されるとちょっと懐疑的になるんじゃないかと思うわけですが、実際買ってしまった後で言っても仕方がないですね。
謎の生命体による地球侵略で数を減らした人類の終わりの見えない戦いを描いた…一応ボーイミーツガールモノになるんでしょうか。特に説明の必要もない内容です。
斬新かって言われたら、(装丁が)斬新だとは思うんですけど、掟破りかと言われるとそうでもないような気がします。
漫画が載っているラノベなんて『E.G.コンバット』くらいしか知らないのですが、本作のIllustrationには三人の名前があるので、編集部の意図としてかなり力を入れているということでしょう。
セレンちゃんがかわいいです。でも、他のキャラも含めて全体的に情緒不安定ぶりがすさまじいので、この巻だけだとあまり魅力を感じにくいのかもしれません。
一方で、ロマンありまくりの機体に乗る主人公の生身でのSF的な強さはわりと斬新なんじゃないかとは思います。
ここぞという時にデキる主人公が好きな人にはけっこう受けがよさそうです。