2016年冬アニメ(中間報告的)感想
まだ2016年も始まったばかり、アニメも始まったばかりで3、4話を消化といったところですが、早くもネット上に分かったような感想をぶち上げる早漏なオタクどもをチラチラと見かけるので私も尻馬に乗る感じでテキトーに書いてみたいと思います。
エニグマ奇襲指令(著:マイケル・バー=ゾウハー)
第二次世界大戦、ドイツ占領下のフランスでナチスの手からエニグマと呼ばれる秘密暗号機を奪取し、連合国イギリスへ持ち帰る……。そんなムチャクチャかつ明瞭な使命を帯びた、“男爵”を自称する主人公のスパイ小説であり、冒険小説です。
エニグマといえば、
ナチス・ドイツの暗号機エニグマ実機、謎の人物が約2900万円で落札 – Engadget Japanese
という記事を思い出しますが、実際の中身については『暗号解読』なんかを読むといいのではないかと思います。
主人公は飄々とした捉えどころのないキャラクターでユーモアに富んだところがありますが、あまりその性格を作中で生かせていない感じがあります。戦時下、秘密警察の闊歩する世で役に立つのは彼の性格と彼の父親によって築かれた人脈ということでしょうか。
設定された時代と背景は何人にも恐怖と悲劇をもたらし、緊張を強いるものになっています。
そういった、なにが起きるかわからないギリギリの展開が続きますから、読者は飽きずに読み進められると思います。
縫い針より大きい大国同士が針に糸を通す以上の繊細さで挑む情報戦…という要素も薄いので個人的にはとても読みやすい本でした。
続編を期待しちゃうのは野暮なんですかね。
それだけ魅力のある一冊だと思います。
もう年はとれない(著:ダニエル・フリードマン)
世の中は消耗しきった人間でいっぱいだ。(中略)だれもかれもがぐだぐだと考えている。とりかえしのつかないあやまち、逃したチャンス、しくじった好機について。
P25
著者と、その周りの人間のリアルで重みのある経験などがこの本のストーリーとキャラクターに大きな影響を与えているせいか、作中ではやけに含蓄のあるような、達観した言い回しが随所にみられます。
現役を退いて久しい元刑事が、刑事になる以前の過去の因縁にケリをつける…警察小説とは言いがたい感じですが、いい感じに読みやすいミステリーに仕上がっていると思います。
午前三時に電話が鳴った。
午前三時にわたしに電話してくる者はいない。午前三時にわたしは電話しない。人がやっていいことではない。なにが起きたのだろうと、知ったことか。
P115
テレビ東京の番組『サタシネ』で2週連続『コクーン』、『コクーン2』を放映していたせいか、いつかはやってくる老いというものについて多少なりとも考えたりします。
今現在おおむね若者風情といった私でも、生きていく上で煩わしさや億劫に思うことに遭遇することはあります。老いというものがその億劫さを多く、大きくしていくとしたら、その不安を意味のないものと切り捨てるのは難しいでしょう。
ともかく、内容としては大きな後悔と少しの懐古、場当たり的な衝動でグイグイ進んでいきますので、あまり複雑なロジックがなくわかりやすいものになっています。
疑問点があるとしたら、いくつかの説明されない点と、主人公の孫が犯した失態のツケの精算方法でしょうか。結果的には解決しましたが、そうならなかった場合……。
シニア・ノワール。擦れっ枯らしで苦みばしった、老いてもなおハードボイルドを体現する主人公の、味のあるキャラクターが魅力です。
学戦都市アスタリスク 05.覇凰決戦(著:三屋咲ゆう)
前の巻からの続きになります。
《鳳凰星武祭》も佳境に入ったところで主人公チームに大きな制約がかかります。はたして優勝するのはどのペアなのか…?
アニメは分割2クールらしいので、ここで一旦お休みといったところでしょうか。
新キャラもぼちぼち、周囲の思惑も交差し、次の戦いへ――。まったく終わる気配がありません。
次も読むと思います。
検索機能をつけました
右カラムに検索フォームを付けました。
今のところ、スマホ表示というか、ブラウザの幅が小さい時は右カラムを下に並べているのですが、スマホだと縦に長くなってしまうのでメニュー的なものに納めたほうがいいのかなと思ったりもしています。