転生少女の履歴書2(著:唐澤和希)
近頃は面白い作品がない! なんて嘘ですよ。ありますよちゃんと。
新境地の開拓を恐れて似たような作品ばっかり買ってるから、そんな錯覚に陥るのです。
昔は~、なんて言ったところで、当時を知っているわけはありませんから、タダのニワカの戯れ言です。
新刊が出てわりとすぐに買っていたのですが、楽しみは後に取っておく派なのでしばらく積んでおりました。
1巻では東奔西走と波乱万丈の人生でしたが、2巻では主に学園生活がメインのため、そこまで忙しい感じではありません。
上流社会との齟齬からか、なかなか友人が増えない主人公が頑張るお話です。
結局のところ、主人公スゲー、主人公ツエーにもっていくのがこのテの作品の王道なわけですが、愛情に疎い主人公の少しズレた解釈とマトモなツッコミによって展開される地の文のおかげでストレス無く読み進めることができます。
この巻で入学から進級までお話が進むのですが、内容が薄いというわけでもなく、バランスはよく取れていると思います。
それにしても、魔法で縫製した服は魔法で脱がせることが出来るって、とても素晴らしい設定の有効利用ですね。
いえ、べつに邪な気持ちで本を読んだりしませんよ。ただ、ちょっとえっちだなあって、そう思うだけです。
R.O.D(著:倉田英之)
誰が読んでいるのかもわからない本の感想を書いてもなんとも思いませんが、こういった実績のある作品ではなにを書けばいいんだろうなあと考えてしまいます。
新装カバーのような大判の帯には新作アニメ化企画とあったので、思わず手にとってしまいました。
アニメは観たような記憶がありますが、活字で読むのは初めてです。
とにかく、『紙使い』という設定が素晴らしいです。
映像でもそうでしたが、数ある能力バトルのなかでも群を抜いてロマンのある能力だと思います。
ラストバトルなんかは少し都合がいいかな?なんて思ったりもしますが、そういうことが言いたいのではありません。
この作品が刊行された2000年に比べたら流通する作品は増えているのに、面白い作品がいっこうに増えていない!と思ってしまうのは贅沢なんでしょうか。
そもそも、なんども読み返したいと思った作品なんて数えるほどしかありませんが、それでも、この本のような一定以上のクオリティの作品が市場に溢れてくれたらなんて幸せなことなんだろうと思うわけです。
自分の字を読むスピードにすら焦らされているように感じてしまうほどの血湧き肉躍る物語、そんなものがたくさんあれば、世の中の煩わしさなんて小さいことに思えるのではないか…そんなことをいつも考えるのです。
粗製濫造してもいいし、似たようなもので玉石混交してもいいのですが、流行りに乗るとか、Webで実績があるからってすーぐ書籍化する前に、よく考えてほしいものです。
…なんて偉そうなこと書きましたけど、結局著者の才能とか読み手の趣味が全てですよね。
でも、もうちょっとまともに読める作品が増えてくれると嬉しいなあって。
魔法少女育成計画(著:遠藤浅蜊)
本屋をぶらーっとしていると、目に入りました。
そういや来期アニメ化するんだっけな…と。
魔法少女バトルロイヤルものです。
雰囲気は少し暗いものですが、淡々とした地の文のおかげで読むのに苦労はしないでしょう。
登場キャラは多めなので、各キャラクターの掘り下げが浅いと感じますが、想像の余地もなく次の展開が待っていますので、あまり重要なことではないのでしょう。
展開も予想しづらく容赦がないのはとても好みでした。
ただ、面白い内容の割には盛り上がりに欠けるように思います。
続き(?)が結構出ていますが、この巻でも完結しているのはとても良い所です。
神眼の勇者(1)(著:ファースト)
アマゾンのASINを取得するために商品ページにアクセスするわけですが、普段は見ないように努めていても、あまりにも評価が低いと気になってしまうものです。
ただ、個々の事情なんてよく知らん私からすると、そこまでひどい作品だとは思いませんでした。
はい、異世界召喚モノです。
最近はこんな作品ばっかり読んでいて脳が硬化しそうなので、そろそろ別な方向性の作品が読みたいなあなんて思います。
引きこもりコミュ障の主人公が突然異世界に召喚されたところ、やたらチートな能力を授かり丸太をぶん回しつつ美人奴隷姉妹にフェラにパイコキ、髪コキをしてもらう、そんなお話です。さすがにアニメ化とか無理ですよねコレ。
既存作品のパロディから、設定やら状況やらキャラクターなどなど、ちょっと詰め込みすぎな気もしますが、この程度のご都合は他の作品にもよくあることです。
主人公の心情描写に少しクセがありますが、そういうものだと割りきって読みましょう。また、言い回しがメチャメチャですが、気にするほどのものでもありません。
一人称視点の割に淡々と進む文章は個人的には好みでした。
エルフ転生からのチート建国記(4)(著:月夜涙)
この巻では獲得した外貨と特産品を元手に商売やら何やら、色々なことに手をだすお話です。
新キャラも登場し、伏線も微妙に回収、自国の防衛と他国との交渉など着々と物事が進行します。
なんかユキノちゃんの恋の雲行きが怪しいのですが、ちゃんと幸せにしてくれますよね?
正妻二人も内心ではどう思ってるのか怪しいものですが、後々で問題にならないといいですね。
でも、主人公は自分自身に2巻で忠告されているので、女性関係が面倒なのは既定路線なのでしょう。
1巻でゴールインしてて本をぶん投げそうになった某作品を読んでいても思ったんですけど、キャラ同士のカップリングがほとんど完成してしまうと、途端に興味が薄れてしまうのは、いわゆる処女厨的嗜好と同じものなんですかね…?
物語が大きく制限されちゃうじゃん~とか偉そうなこと考えるんですけど、やっぱり物語の中のキャラに対してなにか期待をしているってことなんだと最近気づきました。
ゲームみたいにマルチエンディングってわけにもいきませんからね、バランスの取り方は難しいことなんだと思います。
とりあえず、次の巻で物語が大きく動きそうな気配です。