日記

Re:ゼロから始める異世界生活5・6(著:長月達平)

2016.04.13

ときに、主人公に限らず、登場人物は愚かに、無様に、惨めな醜態を晒さねばならない時があります。大きすぎる壁にぶち当たるとき、浅慮故に失望されるとき、絶望に膝を屈するとき…。
4巻で身も心も打ちのめされた主人公ナツキ・スバルは、再びやってきた死に戻りのループによっておそよ這い上がることも叶わぬような歪んだ狂気の奈落へと堕ちていきます。

ひょっとして、みんなの方こそループしているんじゃないのか?
6巻P252

秀逸な地の文には主人公が陥ってしまった支離滅裂で自分本位な精神状態を表す単語がこれでもかというほど散りばめられ、それに呼応するようなスバルの台詞もまた、正常を外れた、愚劣極まりないものであることを読者は幾度も認識するでしょう。

正直、ここまで貶められる主人公というのも珍しいんじゃないかと思いますが、どうやっても死に戻りを明かすことの出来ない残酷な設定がもたらす孤独と寂寥が、この物語の原動力となっているように思えてなりません。
なるほど、これをネットで読んだ日には話題になるのも頷ける気がします。

能力もない、奇跡も起きない、あるのは主人公へ迫る悲劇のみ。
それらが徹底されているからこそ、巻き返しの機運、その兆しが見えたときのカタルシスが一層際立つのだと思います。

今だにレムちゃんラムちゃんの姉妹関係が一瞬あやふやになりますが、そこは許してください。

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Re:ゼロから始める異世界生活4(著:長月達平)

2016.04.11

物語の主人公が主人公たる所以は、状況を切り抜け、収め、いかに都合のいい方向へ導いていくのかかが鍵だと思うわけですが、なにをやったってうまくいかないこともあります。
この作品にしてみると、主人公の存在意義というものは世界に対してあまり大きくはないような気がします。
もちろん、前巻で悲劇を回避し、彼を取り巻く人々に与えた影響というのは小さくありません。
小さくはありませんが、本懐を遂げるにあたって超えなければいけない壁、そびえ立つ高みというものは果てしなく遠いことを実感させられる…そんなお話です。

繰り返される運命という大きな渦に巻き込まれていながら、それを繰り返すほど、孤独になり、大切な人との距離が離れていく…そうして打ちのめされても、傷ついても立ち上がるさまは一方でより主人公的と言えると思いますが、それにしたって主人公のフルボッコぶりには凄まじいものがあります。

本文を読んでいると、前巻とこの巻の間にはどうも語られていない物語があるようですが、それは先のお楽しみというところでしょうか。

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Re:ゼロから始める異世界生活2・3(著:長月達平)

2016.04.11

アニメ第二話のリアルタイム放送を観ながら書いています。

1巻ではとくに判断がつかなかったので、あまり感想らしいものもなかったのですが、ここまで読むと少し書きたいこともまとまってきます。
この2巻・3巻は上下巻のような構成で、けっこうな長編になっています。

『死に戻り』の繰り返しによってエルザの凶刃をなんとかかいくぐった主人公ですが、銀髪のヒロイン、エミリアの住む屋敷での新しい生活の中、またも突然の死に戻りによってループの地獄に突き落とされることになります。
セーブポイントが移った理由は不明ですが、とにかく理不尽極まるシステムのなかで、幸せをつかもうとあがく主人公の活躍は見ものです。
主人公が身も心もこれでもかというほどボロボロに打ちのめされるのもライトノベルにおける宿命のようなものでしょう。

続巻の帯を見る限り、主人公を襲う絶望は尽きないようですので、今後も楽しみです。

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Re:ゼロから始める異世界生活1(著:長月達平)

2016.04.05

一昨日辺りにアニメの1話が放送されていましたが、せっかくの一時間枠を贅沢に使って冗長な展開に費やしたなあというのが正直な感想です。

なろう系最終兵器と目される本作ですが、特に書籍を購入しなくともネット上で読めるようです。
以前から本屋では見かけていましたが、勝手に異世界スローライフ系(?)なのかな、と思って手が伸びませんでした。

内容は全く違いますが、星評価で比べるなら『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』と同じくらいの面白さという印象を受けました。

まだ1巻の段階では謎が多く、先が気になるので次も読むかと思います。
一緒にコンビニでコンポタスナックも買いましょう。

あと、私が買った本は特別カバー付きの装丁だったのですが、カバーのサイズが小さくて書籍の高さに合っていないので、帯とかのズレを直しながら読む派としてはけっこうイラッとする仕様でした。これなんか理由あるんですかね…?

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始まらない終末戦争と終わってる私らの青春活劇2(著:王雀孫)

2016.04.04

あの王雀孫がついにラノベ業界へ殴りこみ!というわけで順調に刊行が延期された1巻が発売された時はなにかの間違いではないかと思いましたが、2巻も(去年ですけど)出てくれました。
とは言っても正直時間が開いてしまったので、1巻も読み直しました。

1巻の帯には丸戸史明先生がコメントを寄せていますが、王雀孫先生もそのうちオリジナルアニメを作ったりするのでしょうか。一応『俺たちに翼はない』のアニメ脚本の一部を担当したようなので、ひょっとしたらひょっとするかもしれません。でもクラクラみたいな駄作は簡便な。

王雀孫テキストといえば、ユーモアにあふれたテンポの良さに定評がありますが、そこから生まれるキャラクターや印象に残るフレーズなども魅力です。
『それは舞い散る桜のように』一本で信者を大量に生産し、『俺たちに翼はない』で一気に人を選ぶ個性派ライターに昇華し遅筆家としての地位を築いたのも氏の才能の成せる技かなと思うわけです。

そんなわけで本作は、人を選ぶ作風を遺憾なく発揮した作品となっております。

「(略)ふーん……じゃあ、まあ、座ればその辺……」
P208

1巻は、発行元が集英社だからってジャンプネタを随所にちりばめ、エセおフランスギャグから7兆ネタまでとにかくやりたい放題でしたが、2巻もほとんど同じノリです。
ですが、主人公を取り巻く人間関係や学校生活の実態が少しずつ、ほんの少しだけ垣間見える内容となっています。

実を言うと信者的な色眼鏡で見ているだけで、めちゃくちゃ面白い!と思っているわけではありません。でも、テンポの良さとニヤリとするギャグ、独特の個性を持ったキャラクターには他の作品とは一線を画する物があると思います。

順調に増え続けるモブ先輩方が何人いるのか分かりませんが、今後も期待できるかと思います。

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